スポーツバイク(ロードバイクやクロスバイクなど)は、ママチャリに比べて非常に盗まれやすく盗難対策は必須です。
せっかく買ったロードバイクが盗まれ無いように、『鍵』でしっかり防御しましょう。
とはいえ、自転車用の鍵にはたくさん種類もある上に、商品ごとの強度が分かりづらいためどれが良いからわからないですよね。
今回はそんなロードバイク用のカギを「種類ごとの特徴」と「通勤に適した選び方」からお伝えします。
ちなみにこれを書いている私は、4年間ロードバイクで通勤していますが、しっかり対策をしているので1度もロードバイクを盗まれたことはありません。
この記事の内容
- 自転車用のカギの特徴と長所・短所をおさらい
- ロードバイク通勤用のカギの選び方
- カギ以外の盗難防止方法を紹介
自転車用カギの種類とは?長所・短所で紹介
自転車のカギには、大きく分けると以下の4種類があります。
- U字ロック
- チェーンロック
- 多関節ロック
- ワイヤーロック
※強度は上から順に強くなります!
商品によって異なりますが、一般的に上記の様に強さが異なります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ロードバイク用カギ①:U字ロック(シャックルロック)
「U字ロック」は、非常に分厚い合金でできた鍵で「湾曲部」と「シリンダー部」の2部に別れた構造になっています。
その形状から「U字ロック」と一般的に呼ばれ、「シャックルロック」とも呼ばれることもあります。
「U字ロック」は、その高い強度から盗難対策には最も優れていますが、重量があるため気軽に持ち運ぶには適しません。
そのため、以下のように使用するシチュエーションを選ぶ必要があると言えます。
- 高価なロードバイクに乗っているとき
- 長い時間駐輪する場合
また、盗難対策に欠かせない「アース(地球)ロック」と呼ばれる駐輪方法をするには、固定物とロードバイクを一緒に固定するため、両方を包み込めるだけの「U字」部分が大きいものである必要があります。
U字ロックの選び方
そんな強度に定評のある「U字ロック」の選び方を紹介します。
U字ロックを購入する際には、以下の点に注意しましょう。
- ロック内の寸法が一番大事!
- 外側にシリコンなどで覆われている方が良い
内径が最も重要!
まず、「U字」内の内径が最も重要になります。
「U字ロック」は、その構造上パーツ同士で挟み込んで施錠するため、その内径に収まるものに対してしか使用できません。
例えば、『シートポストとリアホイール』を固定する際は『シートポストからリムまでの距離』が最低限必要な長さになります。
「アースロック」する際は、更に内径の大きいものが必要になります。
外側が覆われていると壊されにくい
「U字部」含めて全体がシリコンなどで覆われていると、径が太くなり非常に壊しにくくなります。
カギを破壊する際には、大きなニッパーのようなものを使用するのですが、てこの原理を使用しているため、刃先は短くあまり開かない様になっています。
当然、刃先に収まらなければ切ることは出来ませんので、太いだけでも防御になります。
「柔らかいシリコンだから意味がない」と、思いがちですが実は大きく影響するのです。
また、フレームに傷がつきにくいというのもポイントかもしれません。
持ち運びには「サドルバック」に入れて運ぶ方法もあります。
合わせて読みたい大定番!トピークのサドルバックはU字ロックも入って収納力抜群!
ロードバイク用カギ②:チェーンロック
「チェーンロック」は、リング状の金属がいくつも連なった構造で、外側を防刃の布で覆われていることが多いです。
「チェーンロック」は、製品としてのバランスがよく、非常に使い勝手が良いです。
強度は「U字ロック」に次いで強固でありながら、長さを確保できるためアースロックにも使用できます。
強固さに比例して重さもあるため持ち運びには注意が必要ですが、「U字ロック」とは異なり折りたたむ事ができるため収納はしやすいです。
チェーンロックの選び方
そんな使い勝手の良い「チェーンロック」の選び方を紹介します。
チェーンロックを購入する際には、以下の点に注意しましょう。
- 長さは「110cm」あれば十分
- 外側を防刃布で覆われている方が良い
- ダイヤルかキー方式かは好みで良い
長さは「110cm」あれば十分
「チェーンロック」では、「110cm」ほどの長さがあれば十分です。
この長さは、フレームサイズやリムハイトにもよりますが、一般的には『フロントホイールからリアホイール』までを一緒に施錠するにはピッタリの長さです。
また、アースロックする際も「110cm」もあれば電信柱などとロードバイクのフレームの一部を施錠するにも困りません。
外側を防刃布で覆われている方が良い
「チェーンロック」も同様に「防刃布」などで覆われて、直接刃が触れないようになっていると良いです。
ダイヤルかキー方式かは好みで良い
2つもタイプが有ると悩みますが、これは好みで良いと思います。
というなら、「ダイヤル式」で良いと思います。
「ダイヤル式だと組み合わせが合ったら空いちゃうじゃん!」と、言う意見もありますが、施錠した後にしっかりバラけさせれば一発で合うことはまずありません。
また、「全通り試されたら・・・」という意見は、公衆の道路でやるにはあまりにも不自然ですし、そんな時間があるなら切っちゃったほうが早いしラクなので窃盗犯もやりません。
ロードバイク用カギ③:多関節ロック
「多関節ロック」は、複数枚の金属のプレートがジョイントでつなぎ合っており、扇子のように折りたたみできるのがポイントです。
重量は「U字ロック」と同じくらいで、重めではあります。
とはいえ、コンパクトに折りたたむ事ができるので非常に持ち運びがしやすいです。
商品によってはサイクルジャージのポケットに入るほどです。
しかし、最大の欠点が「ねじれに弱い」ことです。
金属プレート自体は非常に頑丈でなかなか切れないのですが、関節部がねじれに弱くひねっただけで折れてしまうものもあるほどです。
逆に関節部に対策がなされているものは、非常に高く(6000円ほど)U字ロックを使用したほうがコスパが良いので、コンパクトさを重視したい人以外にはおすすめ出来ません。
ロードバイク用カギ④:ワイヤーロック
針金を複数本束ねて1本のワイヤーにして、チューブで覆った鍵です。
最も簡素で鍵としての強度はほぼ無く、盗難を防ぐ力もほとんどありません。
商品によってはニッパーでも切れてしまうので、『足としてちょっとそこまで−』といった一時的に移動手段として盗む盗難犯に対してしか効力を発揮しません。
とはいえ、サイクルジャージのポケットにも入るし、施錠もすぐにできるため、使い勝手はピカイチに良いです。
例えば、コンビニ休憩でちょっと店内に入るときなどはギリギリ使用できます。
ロードバイク通勤用のカギの選び方とは?
ロードバイク通勤では、通常のライドとは鍵に求める特徴が異なります。
- 軽さ・手軽さよりも強固さが重要
- 複数のカギを組み合わせる方が良い
- アースロックが超重要
詳しく見ていきましょう。
軽さ・手軽さよりも強固さが重要
ロードバイク通勤では、長時間の駐輪が予測されるため、しっかりとした強固なカギであることが重要です。
重たいカギを持ち運ぶことはなるべく避けたいですが、長時間の駐輪が予測されるので、ある程度の強度を持ったカギのほうがより安全です。
具体的には、以下のカギがおすすめです。
- U字ロック
- チェーンロック
複数のカギを組み合わせる方が良い
カギを破壊する工具にも種類があり、カギごとに向き・不向きというのがあります。
そのため、複数のカギを使用することで万が一片方が破壊されたときも、もう片方は生き残る可能性が上がります。
また、カギを破壊するのにも時間がかかるので、複数あればその分時間がかかるため、窃盗犯から狙われにくくなります。
ちなみに、複数使用するとき、アースロックする方のカギを「U字ロック」などの強固なカギにしておくことをおすすめします。
アースロックが超重要
ここまでに何度も出てきていますが、「アースロック」というのは最も重要です。
ロードバイクはバイクなどと比べても非常に軽量であるため、単体で施錠してもヒョイっとそのまま持っていかれてしまいます。
そのため、絶対に動かすことのできない「固定物(アース)」と一緒に施錠すると、持っていかれることを防げます。
このときに一番重要なのは、ロードバイク側もバラせないパーツと一緒に施錠する、ということです。
例えば、電信柱と一緒に施錠するときに「ホイール」と施錠するのと、「フレーム」と施錠するのとでは、「フレーム」とアースロックするのが正解です。
×:固定物 + ホイール → カンタンにバラせる
○:固定物 + フレーム → バラせない
ロードバイク通勤におすすめのカギを厳選紹介
さて、実際に私が使用している厳選の通勤用カギを紹介します。
【Panasonic SAJ080】:手頃な価格と安心のサポートがおすすめのU字ロック
「U字ロック」では、私が長年使用していてリピートもしている、Panasonicの「SAJ080」がおすすめです。
価格もこなれている上に、大手のPanasonic製なので下手な中華を買うよりマシだと思って初め購入しましたが、使い勝手も良くて長年愛用しています。
- 全体がラバー加工で覆われていてロードバイクが傷つかない
- カギがディンプルキーでピッキング耐性が高い
- カギを無くしても鍵の再発行ができる
レビュー記事を書いているので、参考にしてください。
保証付きのドヤ顔チェーンロック:Abus 5805K
こちらも愛用のAbusというドイツのメーカから出てるチェーンロックです。
特徴的なのが、「盗難見舞金保証」という制度があることです。
>>盗難見舞金保証|ダイアテック
簡単に言うと、『対象のカギを使用していて盗難されたらお見舞金として最大12万円支払いますよ』というものです。
だから安心というわけではありませんが、無いよりマシですし、何よりメーカーがそこまでの自信を持って販売するのですから、乗らない手はありません。
もちろん製品としても使用感がよく、カギを抜いたままでも施錠できるため、いちいちカギを出さなくても良いためラクに使用することが出来ます。
また、鍵穴の破壊防止のためにフィルターがついている点もおすすめできます。
通勤用ロードバイクが盗まれないようにする”カギ以外”の注意点
ここまで『カギ』の重要性を書いてきましたが、残念なお知らせがあります。
それは、「どんなカギも絶対に壊せる」ということです。
じつは、専用の工具を使用してしまえばどんなカギもフレームすらも、真っ二つにすることが可能です。
とはいえ、そんな窃盗犯に対して成す術もないのかというと違います。
こんな方法があります。
- 駐輪場所を固定しない
- 人目のある場所に駐輪する
- 駐輪場の管理人と仲良くする
- ロードバイクを通勤仕様の盗まれにくいカスタムをする
駐輪場所を固定しない
どうしても毎日の駐輪場所というのは、固定したいですよね。
しかし、窃盗犯にとっては絶好のポイントなんです。
窃盗犯にとって以下のメリットがあります。
- 窃盗のスケジュールを立てやすい
- あなたがいない時間を把握しやすい
そのため、「ちょっとだけ場所を変える」「駐輪するブロックを変える」などの工夫で少しは意識を反らす事ができます。
人目のある場所に駐輪する
窃盗犯は、当然見つかりたくありませんから、ひと目のある場所というのは対策として非常に有利です。
可能であるなら「有人駐輪場」や「管理人室の目の前」などに置くように工夫しましょう。
とはいえ、通りに面した場所への駐輪は注意が必要です。
というのも、ひと目がつく一方で、窃盗犯の目にも止まりやすくなるためです。
駐輪場の立地やルールによって難しい場合もあるので再現性は乏しいですが、条件の参考にしてください。
駐輪場の管理人と仲良くする
当たり前のことですが、一般人は「他人の自転車なんか興味ない」人がほとんどです。
そのため、管理人がいる駐輪場であっても、自転車と持ち主が異なっていようとまず気づかないでしょう。
逆に管理人に興味を持ってもらえば、問題は解決できます。
和気あいあいと仲良くするのはハードルが高くても、朝の挨拶程度であれば可能ではないでしょうか?
人は自分と関係性のあるモノへは、無意識に興味がいくそうです。
挨拶を通じて自転車に興味を持ってもらって、防犯するのは夢物語でしょうか?
ロードバイクを通勤仕様の盗まれにくいカスタムをする
高価なロードバイクやかっこいいロードバイクは、人気もあるため売る際に高値が付きやすく、盗まれる危険性が高いです。
そのため、以下の点を踏まえてロードバイクをカスタムすると良いです。
- 「エントリーモデル」などの安いロードバイクを使う
- 通勤仕様にカスタムしてブランド性をあえて落とす
- 派手なカラーリングのパーツを使用する
もちろん見た目だけで「盗まれない」わけではありませんが、カゴや泥除けがついているロードバイクは見た目がロードバイクっぽくないので盗む側の目に止まりにくいです。
一緒にあると安心な盗難対策アイテムは?
せっかくなので「カギ」以外の盗難対策アイテムも紹介します。
- 盗難防止用スキュワーロック
- GPS付きサイクルガードサービス
盗難防止用のクイックリリースでホイール盗難を防止
ロードバイクのホイールは、「クイックリリース」と呼ばれるパーツで固定されています。
パンクなどのトラブル時に即座に対応できる一方、素手で外せることから盗難のリスクが非常に高いです。
私自身も大昔盗まれたことがあります・・・
このパーツを、専用の工具を使用しないと外せないようにするパーツが「スキュワーロック」です。
トラブル時はどうしても取り付けの手間は増えますが、レースではないので急ぎで作業しないといけない状況というのは無いと思います。
盗難のことを考えると「通勤ホイールにはあまり高価なものは使用できない・・・」と、思いますよね。
とはいえ、軽くてよく回るホイールは欲しい物。
実は安価で良い通勤用にピッタリのホイールがあるんです。
盗もうとしたら警告音!万が一盗まれてもGPSで発見!最新技術でガッツリガード
いままでは、「盗まれないようにする方法」でした。
でも、万が一「盗まれそうになったら?」「盗まれたら?」そんなときに役立つ最新アイテムです。
この「Alterlock」は、「振動アラーム」で盗む動作を検知して警告音を発し、盗まれてもGPSで居場所を探知できるスグレモノ。
詳しくレビューしているので、まずは一度読んでみてください!
ロードバイク通勤用のカギのまとめ
ロードバイク通勤を安心して行うためには、盗難対策は必須です。
それには、しっかりとした「カギ」を使用することが前提です。
適切な組み合わせを使用して、あなたの愛車をしっかりガードしましょう!
- 「U字ロック」と「チェーンロック」がおすすめ!
- 「アースロック」を心がけよう!
- 標的にならない工夫も大事!
- 便利なアイテムを使用してグッと安心度をあげよう!
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